EFOが空振りする理由は、たいてい「測っていない」こと
入力フォーム最適化(EFO)の記事を読むと、項目を減らす・入力補助を付ける・エラー表示を分かりやすくする、といった打ち手が並んでいます。どれも正しいのですが、打ち手から入ると当たったかどうかが分かりません。
フォームは1枚の画面に見えて、実際には複数の関門が直列につながっています。どの関門で人が落ちているかを知らないまま項目を削ると、落ちていない場所を直して、落ちている場所をそのままにする——という事故が起きます。
置くべき4つの数字
フォームを直す前に、次の4つを分けて持ちます。ひとつの「フォームCVR」に丸めないことが肝心です。
① 到達率(フォームが見られたか)
ページに来た人のうち、フォームが画面に入った人の割合。ここが低いなら問題はフォームではなく、その手前のコピーや導線です。フォームを直しても動きません。
② 入力開始率(最初の1文字が入ったか)
フォームを見た人のうち、どれだけが入力を始めたか。ここが低いのは「項目数が多く見える」「何を聞かれるか分からない」「この先に何が起きるか不安」のサインです。
③ 項目別の離脱(どこで手が止まったか)
入力を始めた人が、どの項目で止まったか。BtoBでは電話番号・従業員規模・予算・自由記述で手が止まりやすく、項目ごとに理由が違います。ここが打ち手を決める中心の数字です。
④ 送信エラー率(押したのに進めなかった)
送信ボタンを押したのにバリデーションで戻された割合。ここは本人にやる気があるのに落ちているので、直した効果がいちばん素直に出ます。電話番号のハイフン、全角半角、必須の見落としが定番です。
どう測るか
特別なツールがなくても、次の粒度でイベントを置けば4つの数字は作れます。
- form_view:フォーム要素が画面に入ったとき(交差監視で1回だけ)
- form_start:最初の入力が起きたとき(最初の1回だけ)
- field_last_touched:離脱時に最後に触っていた項目名(入力値は送らない)
- form_error:送信が弾かれたとき(エラーの種類だけ)
- form_submit:送信が通ったとき
🔴 送るのは項目名とイベントだけで、入力された値は送りません。氏名・メール・電話を計測に流すと、改正個人情報保護法まわりの説明が一気に重くなります。考え方はプライバシーファーストのCROで扱っています。
直す順番
数字が揃ったら、次の順で手を付けると空振りしません。
- 1. 送信エラー率:意思のある人を取りこぼしている。入力形式の許容を広げる(ハイフン・全角・スペース)
- 2. 項目別の離脱:止まる項目を任意にする、後ろへ回す、なぜ必要かを一言添える
- 3. 入力開始率:項目数を見せ方で軽くする、所要時間を明示する、入力例を置く
- 4. 到達率:フォームの手前の文言と導線を見直す(ここはもうフォームの問題ではない)
逆順にやると、最も直しやすい「送信エラー」を放置したまま、いちばん難しい「そもそも来ない」に挑むことになります。
BtoBで気をつけること
項目を削ればフォームは通ります。ただしBtoBでは、削った項目のぶんだけ営業が追える情報が減り、商談化率が下がることがあります。CVRと商談化率はトレードオフになりやすいので、両方を同時に見る前提で設計してください。
具体的な項目の削り方・並べ方は、ホワイトペーパー「BtoBフォーム改善チェックリスト」にまとめています(無料)。
まず自分のフォームを測る
いまのフォームに何個の関門があり、どこが重いのかは、登録不要の無料サイト診断で確認できます。直す前に測る、という順番さえ守れば、EFOは当たる確率がはっきり上がります。